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Archive for 6月 5th, 2013

おススメ展覧会「貴婦人と一角獣」

2013.06.05



kihujin

★川嶋講師 感想★
 フランス国立クリュニー中世美術館に所蔵されており、フランスの至宝ともいわれる「貴婦人と一角獣」の
6連のタペストリーの展示です。
 そこに織られた貴婦人と一角獣の物語は、中世の貴族社会が結晶化したような作品です。
ル・ヴィスト家の為に制作され、城館を飾っていたタペストリーは城主の素養を示す装飾品でした。
5帳のタペストリーには人間の五感が寓意化され、6帳目は「我が唯一の望みに」というタイトルがついています。
これは「第六感」を表すとも、「欲望」を表すとも言われ、謎に満ちています。
 6帳のタペストリーは共通項が多く、背景は多くの花が織られた「千花文(ミル・フルール)」という様式で、
そこに浮かぶ「緑野(ヴェルデユール)」はマリアの閉ざされた子宮を意味します。また、松(復活、不死)
柊(永遠の命、受難)樫(不死)鷹(善人、異教徒)羊(生命の発育)猿(貪欲)獅子(ル・ヴィスト家の出身地を示唆)
など様々な寓意に彩られています。
 このタペストリーはイメージがいいのか、エンターテーメントでもよく使われます。
映画ハリー・ポッターの学校内に飾られていたり、アニメ機動戦士ガンダムユニコーンにも出てきました。
展覧会は6帳のタペストリーが中心なので、非常に少ない展示品ですが、一見の価値ありです。
タペストリーは「荘厳」の一言(仏教用語ですので変な感じですが)!

★オモ3誠店長 感想★
 このフランスの至宝が日本で見られる事自体が奇跡です。モネやゴッホの様に絵の方から心に飛び込んで来る
ものではありません。古い織物のため、色彩は抑えられていますし、図柄も様式化されているからです。
ですからご自分の心を最大限に開いて500年前の中世美を感じ取って下さい。デジタル画像による解説も充実
してるので、それらを見てから再度見直すのも良いでしょう。
 この展示がなじみのない欧州中世美術への皆さんの興味を呼び覚ます機会になる事を期待しています。
日本画との共通項も多いので日本画クラスの方には是非お運び頂きたいです。


 
国立新美術館


【会期】2013年4月24日(水)~7月15日(月・祝)
【休館日】火曜休館
【時間】 午前10時-午後6時
     金曜日は午後8時まで(入館は閉館30分前まで)
【会場】国立新美術館
【アクセス】 東京メトロ千代田線 乃木坂駅、日比谷線・都営地下鉄大江戸線 六本木駅、より徒歩5分


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